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ところで、3月に大津市歴史博物館で初の学外展「萌芽」をやりました。学外展を部員がやりたいということで、引っ張る子がいたんですけど、「やるんやったら歴博でやるくらいの意気込みやったら面倒見るわ」と、まだ時期尚早と思いましたし、あきらめさせようと半分思って云ったんですけど、「やる」って云うし。歴博が一高校の書道部ごときに展示ホールを貸すかなと思って問い合わせたら「エエです」と云わはりました。(笑)
−あーあ、やっちゃった。
もう後戻りできない。それで、部員は手分けして放送局や新聞社を回って広報活動したりしました。展覧会の中身としては、大きな作品を、ざあっと前面に出して展示しました。鳥の子紙という強い紙に、 全員が筆をリレーしながら書いたものです。
私自身が以前から大きい作品を作るのが好きで、もともとは文化祭の展示作品として部員に「やらないか」と持ちかけたんです。
ーウホッ、いい話ですね。
展示できるスペースがありましたんで、これをメインに展示しようと。あとは各自が展覧会のための作品作り。おかげさまで思っていたよりもたくさんの方に見に来ていただいて。テレビとかでも取材していただいて。本当に予想以上に大きい反響をいただいて…。
カレンダーも作ったんですけど。それも2日目に売り切れるような状態。嬉しい悲鳴でした。3日間で540人の方に来ていただきました。3年生は7月の文化祭で引退して今はお勉強の日々を過ごしていますが、その子らが中心で引っ張ってくれました。また来年の3月に第2回展を同じ大津市歴史博物館でやろうと思っています。
部員にはいつも云っているんですけど、学校の授業では学べないことで、部活で学べる部分はたくさんあるんで…対人関係とか、ね。展覧会に来て下さった方に部員達は3日間立ちっぱなしで挨拶や自分の作品の説明などをさせましたが、これもそうした学びの一つと考えています。
−すごいパワーです。僕も高校の時にルーティンでない、クリスマス演奏会や第1回定期演奏会を立ち上げたときは燃えましたね。進学校といっても、さっき廊下ですれ違った生徒さんも、のびのびしている印象があります。
昔から「全人教育」が錦の御旗になってますからね。体育祭とか文化祭も7月にテスト終わってから時間がない中で準備するんですけど、ものすごく活発で盛り上がります。もう本当に凄いですよ。
赴任して1年目は担任はあるわ、それまで書道部もそれほど自主的に活動していなかったんで、文化祭で展示するのもイチから教えなきゃいけなかったんでちょっと大変でした。リーダーの子なんか、「センセ、明日の朝早く集まりたい。学校何時に開きますか?」最初6時って云いよったんです。ムチャ云うなと「第一お前も遠いやろ、どうやってくるんや」云うたら、「じゃ、泊まる」なんて…。
−でもね。そういうのを積み重ねていって、単なるルーティンではない「伝統」が生まれていくと思うんですよ。同じ釜の飯を食い、達成感を味わった者同士がレヴェルの高い連帯感を強めていくと云うことはできると思います。
おっしゃるとおりです。達成がないと脱皮できない。僕の中には、書の制作を通じてそういうのを教えていきたい部分もあるんです。書の制作は自分を見つめる行為の繰り返しになります。きれいに書くとか、そういうものじゃなく、思い切った自己表現を目指しています。これが自分を見つめていくことになります。それもひとつの勉強。
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