●山田美郷さん(2年)
−書道を始めたきっかけは?
お習字を小学校2年生からやっていました。でも、そのときは楽しいモンやなかった。きれいに書かなきゃいけないから…。お手本通りに書かなきゃいけないとか、こういう線にしないといけないとか、枠にはめられてしまって、あまり面白くはなかった。
−「お習字」と「書道」は違うんですね。いつ頃面白くなったの?
面白くなったのは書道部入ってからで、大分見方が変わりました。小学校とかでやってたときは、TVで書道をやっていると心が安らぐとか云っていたのは嘘ちゃうと思ってたけど、高校の書道は全然違って…。
実は一年ほど前、ちょっといろいろ精神的につらかって、家でもそんなに落ち着かなかったんやけど、書道のおかげで元気になれて…。他の人や、センセも凄く優しいし、部員も信頼できる人が多かったから。
−家って、必ずしも居心地がいい場所じゃないんだよね。わかるよ。僕もそうだった。
ホンマ、書道だけやなくて、大切な友達や信頼できる人がいたのもよかったと思います。篆書をやっていて、変にいろいろ考えていると線がふらついたりするんで、何も考えない状態に強制的にならないと書けない。
−その篆書はホント、かっこいい。「無」が生み出した字なんですね。そういう字が書けるのって素晴らしいです。惚れ惚れしちゃう。
いろいろ迷っているときに、こういう、みんながやっている作品をやると、今度はこんな風に考えなきゃいけないから。迷っているときに、迷うことない小篆を書くことで…。
そんなんをずーっと隅っこの方で黙って書いていたから、部活の人には「坊さんみたい」とか、「仙人みたい」とか云われましたけど…。集中してるときって気持ちいいですね。
原本はあるんですけど、形は墨の部分と余白の部分が決まっているんですよ。ここが全体の1/3とか決まっていて分析観察するから、ラクでした。だから、飽きはしませんでした。
−ほんとだねー。これは立派なアートセラピーです。あなたがもともと持っている素直さが、いい出会いによって、いい方向に働いたんだね。
私も芸術は好きで、ヒマなときは美術館とか行ったりしてるんですけど、部屋ん中とかめっちゃ変な感じで、横山大観の展覧会に行ってプリントしたやつを飾っていると思えば、横にアンティークは置いてあったりと、変な部屋になっていて…。
−自分がいて気持ちよい、居心地のよい部屋がベストだと思うよ。
今はほかにも可能性を求めています。書くことが楽しいです。部活やっているから、好きな授業はなくても、学校に行こうって。家にいるよりも楽しいしね。
それから、昔それを書いたときは、今になってみると全然ダメやな、と思えるのは、自分もそれなりに上手くなってるんだな、って思うことはあります。いい作品を書きたいと云う思いもあるんですけど、それでいらいらしたりするのはイヤやから、愉しめたらいいかな。それが一番やと思います。いつも、もっと楽しく書けへんかなって思ってます。上手く書こうって思うと気持ちが先走っちゃって、全然書けないんで。